【会社四季報】 基本情報
会社四季報の個別銘柄欄の一番右の部分。ここには会社にかかわる基本情報が掲載されています。社名や特色、本社所在地などはここで確認するようにしましょう。
国内の株式市場に上場している会社は日本全国を合計すると5000社以上にものぼります。
トヨタやソニーなど、誰が聞いても知っている会社なら問題ありませんが、名前も聞いたことが無いような上場企業の場合、この基本情報の欄はその会社を知るうえで非常に参考になります。
四季報の基本情報の部分から分かる会社の情報はまとめると以下のようになります。
証券コード・会社名・決算月・設立・上場年月日
証券コードは頻繁に取引する銘柄の場合は覚えておくと良いでしょう。決算月は非常に重要です。決算の前後で激しく株価が動くことが多いので、初心者のうちはあまりその前後に売買をしないほうがよいかもしれません。
設立年や上場年月日からはその会社の歴史を図ることが出来ます。管理人は設立から上場があまりにも短い会社や上場間もない会社の株はあまり手を出さないようにしています。
事業内容・特色
その会社の事業内容や特色を知ることができます。基本情報の部分の中でも、特にこの部分はしっかり見ないといけないかもしれません。
というのは、企業によって自分が知っているのとは別の事業が、実は収益の大半を占めている場合があるからです。例えばブラザー工業【6448】は投資をやらない人にとっては、一般的にミシンの製造メーカーとしてのイメージが強いですが、会社四季報で事業内容や特色を調べて見ると、FAXやプリンターの生産が主力の業務であることが分かります。
現在は、グローバル化(国際化)も進み事業の移り変わりのサイクルも早く、少し時間が経過すると事業内容がまったく変わっている企業さえあります。そういった意味で、事業内容についてはしっかりと調べるようにしましょう。
連結事業・海外展開の状況
連結事業や、海外での展開を理解することができます。
連結事業とは、その企業の収益に影響を与える、行っているの事業のことを言い、会社によっておこなっている事業の数や比率がことなります。
例えば、自動車製造を100%の割合でやっている企業と自動車製造以外にも複数の事業を行っている企業があったとします。
企業A |
企業B |
||
自動車 |
100 |
自動車 |
30 |
不動産 |
20 |
||
金融 |
20 |
||
情報・通信 |
10 |
||
電化製品 |
10 |
このような場合、自動車だけを事業としている企業Aの業績は見通しが立てやすいですが、複数の事業を営んでいる企業Bの業績を予想することは難しいことが理解できると思います。
一般的に、複数の事業内容を営んでいる企業ほど、業績に複数のものが影響を与えるため、業績予想が難しいと考えられています。連結事業の欄からはこのあたりも読み取ると良いでしょう。
ちなみに予断ですが、管理人のヒデはあまり多くの事業を営んでおらず、1つのことに注力する企業により多く投資するようにしています。(私個人としてはそのほうが情報管理がしやすい)
また、国内と海外の売上比率をしっかりと把握しておくことは株式投資にとって非常に大切になってきます。
なぜならば、
海外の比率が高い = 企業の業績が為替相場の影響を受けやすい
ということに他ならないからです。
せっかく海外で売上や利益が出ているのに、為替相場の変動でそれらが相対的に少なくなってしまうのはもったいないですからね。海外比率が高まると言うことは、為替差損のリスクを含んでいることを十分に認識しておきましょう。
本社所在地・電話番号・営業所・工場
本社や工場、営業所の電話番号や所在地が分かります。
実は、この本社のあるエリアからある程度会社の特徴が分かったりもします。日本は地域によって【堅実経営を好むエリア】や【借金(有利子負債)を嫌う土地】などがあり、それらを知っているとある程度投資には役立つかもしれません。
ちなみに管理人が住む、名古屋を中心とした中部地方は堅実経営を好むエリアとして良く知られています。また、京都の会社は堅い企業が多いとも言われています。
このように、地域ごとの特徴をつかんでいくことも、長期にわたって株式投資に取り組んでいこうと考えているのであれば大切なことかもしれません。
また、投資するかどうか悩んだ場合などは、本社のIR部(投資家向けの情報を発信している部署・上場企業には必ずある)に直接電電話して疑問点を聞けば教えてくれることもあります。
そのために、電話番号についてはしっかりと確認しておきましょう。
従業員数
会社の規模をはかる意味で重要な指標となる従業員数も会社四季報には掲載されています。また、社内での平均年収も掲載されています。この部分は結構無視されている場合が多いのですが、私は投資するにあたって結構重要なデータであると考えています。
理由としては企業の業績が悪化した場合、真っ先に行われるのが賃金の引き下げで、その次に行われるのがリストラだからです。
上場企業の平均賃金は560万円程度だと言われていますが、まずその水準からみて高いか安いか、そして従業員の数はどれだけの人数がいるかということを確認します。
仮に増収増益で、利益がしっかりと出ている会社であっても、その会社の平均賃金が280万円だった場合、私はかなり危険だと思います。というのは、従業員の給料を削って利益を捻出している可能性が高いからです。
賃金水準の低い会社は当然、従業員の士気も低く、離職率も高くなりがちです。こういった企業はいったん傾き始めると、一気に業績が悪化してしまうこともあります。
平均賃金は多すぎても収益を悪化させるので問題ですが、少なすぎるのはもっと問題だと言うことことです。
また、不況期や企業が赤字決算に陥りそうな時にも、この平均賃金は重要な意味を持ちます。
例えば、1000人の従業員がいて、平均年収が1000万円の会社の場合、10億円の赤字を出しても極端な話、従業員の給料を100万円減らせば全て吸収できてしまいます。確かに給料が100万円も減ってしまうのは厳しいですが、1000万円→900万円ならば生活の維持は十分に可能でしょう。
一方、これが従業員数500名、平均年収400万円の会社だと、同じ10億円の赤字を出すと全てを従業員の給料カットでまかなおうとした場合、1人当たり200万円の賃金引下げが必要になります。400万円が200万円になってしまっては、とても生活の維持はできません。
このように、従業員の平均賃金は間接的に企業の収益に影響を与えていると言えるのです。最低限、業界平均と比べて高いか低いかだけは把握したいものです。
理想を言えば、平均年収が高めで、かつしっかりと利益が出ている会社を選ぶと良いでしょう。こういった会社は多少の景気後退ならば問題なく乗り切ってくれると思います。
証券・銀行・URL(ホームページアドレス)
この部分には証券会社、取引銀行、ホームページアドレスが書かれています。使っている証券会社や銀行から資本関係の特徴を読み解けるようになれば一人前です。
また、URL(ホームページアドレス)は決算発表などのIR情報を知るために必要なのでチェックしておくと良いでしょう。
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