第12回 早めの損切りが肝心

 

株式投資において、分かってはいるけれど中々出来るようにならないもの、それが「損切り(ロスカット)」です。

 

損切りは言うまでも無く、自分が買った買値よりも低いところで株を売るという行為です。つまり、損失を確定させるということで、言い方を変えれば「自分の負けを認める」という行動でもあります。(株は基本的に含み損があっても、売るまで損失は確定しません)

 

そのせいか、多くの投資家は損切りを中々おこないません。特に初心者のうちはなおさらです。もともと「上がる」と思って買っている株式です。自分の間違いは素直に認められないのが人間と言うものなのですね。

 

では、何で損切り(ロスカット)がそんなにも大切なのでしょうか?

 

その背景には、株式投資で出すことの出来る利益の額に心理面(メンタル)が大きく関係しているからです。

 

大きな含み損を抱えた株を持っていると、心理的な面でデメリットが大きくなってきます。「負けている分を取り返してやろう」と思って、無茶な取引を繰り返すようになったりするのがその典型です。

 

なぜかは良く分かりませんが、一度増えだした含み損というものは、雪だるま式に増え、結果として塩漬け株が誕生してしまいます。

 

この売るに売れない「塩漬け株」が投資のパフォーマンスを急激に悪化させ、トータルで見ても利益を出せなくなってしまうのです。

 

株式投資は何がおきるか分からないものです。それだけに、どれだけ優れた人であっても、全戦全勝とはいきません。「負けトレード」は「トータルのでの勝ち」を生み出すために必要不可欠であるという意識を持ちましょう。また、損切りは投資に必須の知識であることを知りましょう!

 

はじめから損切りの金額を決めておき、常に新しい気分で取引をするようになるとリターンの金額もかなり変わってくるでしょう。

 

私も株式投資を始めた当初は上手に損切りが出来ず、あれよあれよという間に含み損が増え、結果として塩漬け株にしてしまったことがよくありました。

 

経験された人は良く分かると思いますが、含み損が40%、50%となってくると半ばやけになってしまい、70%、80%まで来ると言葉すら出ません。

 

現在の私の基本戦略では、損切りは5%、利益は10%以上で確定するようにしています。

 

例えば、このような戦略を取れば、3回に1回の取引でのみ勝てば良いということになり、投資に取り組むのにも心の余裕が生まれます。

 

投資で高いパフォーマンスが出せている人は、例外なく損切りが上手いものです。最初は損切りをするのを戸惑うかもしれませんが、株式投資で高い利回りを出せるようになりたいなら、損切りを常に意識するようにしましょう。