為替レート

 

株式投資について少しずつ詳しくなってきたら、為替レートにも注目するようにしましょう。

 

為替レートとは、ニュースでやっている「1ドル=●●円」というような、2国間でのお金の交換レートのことを言います。

 

例えば、日本国内においては100円は、いつまで経っても100円のままですが、これをアメリカに行ってドルに交換する場合、為替レートによって同じ100円が1ドルになったり、1.2ドルになったりするわけです。

 

為替レートは秒単位で刻々と変化していて、まったく同じレートが長い間続くことはありません。

 

「ここの国は今後発展するだろう」

 

だとか

 

「政治運営の政権が変更になったから、A国よりもB国のほうが安心だ」

 

といった、世界中の人の思惑から影響を受け、日々変動しているのです。

 

当然、同じお金(この場合は100円)ならば、1ドルになるよりも1.2ドルに交換してもらえるレートのうが20%も得だというのは簡単に理解できると思います。つまり、このレートの時には日本円を持っている人(=日本人)にとっては有利となる訳です。

 

為替レートについては勘違いしている人が少なくないのですが、

 

「1ドル=100円」

 

よりも

 

「1ドル=90円」

 

のほうが日本人(正確には日本円を持って、アメリカでドルに日本円を交換し、アメリカでお金を使おうと思っている人)にとってお得です。

 

1ドルと交換してもらうのに100円とられる場合と90円だけでよい場合とを考えれば簡単に理解出来ますね。

 

その為、この例の場合だと「1ドル=100円」円安「1ドル=90円」円高と呼ばれるのです。円安・円高といった言葉は”円の持つ国際的な価値”について示しているだけだったのですね。数字の大きい小さいと逆になっているのはこういった理由があったからなのです。

 

理解できたでしょうか?

 

この「為替レート」は株価にも大きな影響をもたらします。
レート次第では、同じものを輸出入するのに半額になったり、2倍になったりするからです。

 

例えば、外国からモノを輸入して、日本国内でモノを販売している企業の場合は、より円高の状況を好みます。

 

少ないお金(=日本円)でよりたくさんのモノを輸入できたほうが利益が出るからです。

 

反対に、日本国内でモノを製造し、海外に販売している会社はより円安な状況のほうが業績が良くなります。

 

同じ商品でも、円安になればなるほど高い値段で商品が販売できることになるからです。

 

このように為替レートは企業の業績に直結してきます。日本全体で考えた場合には、日本国内には輸出系企業のほうが多いので、円安な方が日本全体の景気は上向くのですね。

 

為替レートについて、この程度の知識は持っておくと、株式相場を読む上で有効です。
是非、しっかりと理解しておきましょう!

 

 

ちなみに、国内のみで事業を行っている会社で、雇っている人は全て日本人、海外の企業とは一切取引が無いという企業はほとんど為替レートの影響を受けません。

 

国際的な為替レートが激しく変動しているような局面では株価も大きく上下します。
為替レートの見極めに自信が無い時期はこのような企業に投資するのも良いかもしれません。