日本の借金の中身 累積債務について考える

 

日本には1000兆円に迫る借金があると前の日本は借金の王様のページでお話しました。
それでは、その約1000兆円の内訳はどのようになっているのでしょうか?

 

内訳を理解する前に知っておかなくてはならないこととして、まずは日本の抱える借金の特性についてがあります。日本の持つ借金には大きく分けて「国に依存するもの」「地方に依存するもの」の2つの種類があります。

 

国は国債という債券を発行して、足りない分の資金を調達し、これの累積額が国家の債務として計上されます。
(債券というものは「将来に額面以上の金額を支払うことを条件にお金受け取る時に発行する引換券のことです)

 

また、それとは別に地方はその自治体ごとに「都債」「道債」「府債」「県債」「市債」「町債」「村債」といった債権を独自に発行し、資金を調達します。こういった債権は国債と区分される形で地方債と呼ばれます。

 

これらのような「国債」「地方債」が合わさって日本国全体での借金が形成されています。また、これ以外にも財政融資資金特別会計国債という借金があります。この借金についての詳細はここでは割愛しますが、特別会計という政府の裏帳簿に端を発する借金であり、国債や地方債以外にも国家の重荷になる借金があるのだということは知っておくと良いでしょう。

日本の借金の中身

 

2008年現在でこの国と地方の累積債務残高は916兆円にまでのぼっていると言われています。日本国内で1年間に生み出される付加価値の総和であるGDPは約500兆円だと言われていており国内の債務残高はGDPの実に180%にもあたります。

 

ざっくりと説明してしまえば、1.8年もの間、日本国内の人が無賃金労働を国のためにおこなえば全額返済できるということです。(実際には国債発行残高に対して支払い金利が発生するのでもう少し返済金額は増えますが・・・)

 

(暦年) 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
日本 79.4 86.7 94.0 100.5 113.2 127.0 135.4 143.7 152.3 158.0 165.5 175.3 171.9 170.3 170.9
米国 71.1 70.7 70.0 67.6 64.5 61.0 55.2 55.2 57.6 60.9 61.9 62.4 61.8 62.8 65.8
英国 47.3 52.2 52.0 52.9 53.4 48.3 46.0 41.1 41.6 41.9 44.1 46.8 46.6 47.5 49.8
ドイツ 46.5 55.7 58.8 60.3 62.2 61.5 60.4 59.7 62.1 65.3 68.7 71.0 69.3 65.4 64.2
フランス 60.2 63.0 66.7 69.1 70.7 66.8 65.7 64.3 67.3 71.4 73.9 75.7 71.1 69.4 71.0
イタリア 120.6 122.2 128.6 130.2 132.6 126.4 121.6 120.8 119.5 116.9 117.5 120.1 118.2 116.7 117.1
カナダ 98.0 101.6 101.7 96.3 95.2 91.4 82.1 82.7 80.6 76.6 72.4 70.3 68.1 64.4 64.4
  

※出典:OECD/エコノミック・アウトルック〔83号(2008年6月)〕。計数はSNAベース、一般政府。

 

累積債務のGDP比較

 

 

この水準は先進7カ国(G7)の中でも最悪で、他の先進国が安定した水準で財政運営を続ける中、日本だけが右肩上がりの成長を続けています。(借金額についてなのであまり嬉しくない右肩上がりですね)

 

言うまでも無く、累積債務(つまり借金)とのGDPの比率は低ければ低いほど良く、日本とイタリアを除いた先進国はそれぞれ50~70%代に集中しています。長らく財政赤字に悩まされているイタリアも120%程度です。

 

増え続ける日本の借金日本もかつては優秀な頃がありましがた、今ではGDP比で190~200%という、他には無い水準まで財政が悪化してしまいました。

 

これが、日本国が財政破綻・国家破綻へ向けて突き進んでいると言われる理由です。日本の財政が他国に比べていかに悲惨な状況か理解していただけたでしょうか?