第11回 株で1億円稼いだ人はすごい?

 

「株で1億円稼いだ」 というと何かとてもすごいことを成し遂げたように思えます。

 

特に投資の初心者だとそう思ってしまう傾向が強いようです。
でも、これだけではすごいかどうかはまったく判断できません。

 

まず、この情報の中には 「いくらのお金を使って」 1億円を稼いだかが書かれていないからです。

 

100万円を1億円にしたというのであれば、利回り10000%ということになり、とてつもないことですが、10億円を11億円にしたというくらいだと、実質的に利回りが10%ということになり、さして珍しいことでは無い訳です。

一億円をかせぐには‥?

極端な話をすると、投資資本が100億円あれば、1億円を稼ぎ出すためにわずか1%の利回りを出すだけで十分です。

 

1%ぐらいならイーバンク銀行の5年定期預金の契約をすればほぼ達成できてしまいます。

 

定期預金くらいなら誰でも出来ますよね。
ETFなどの上場投信を購入するだけでも期待利回りは1%を超えてきます。

 

株式投資の話になると、このように数字のイメージだけで話を進められたりすることが非常に多いです。金融の知識が無いと、このような数字のイメージにコロッと騙されてしまいます。

 

これは利回りについても同様です。

 

「1年あたりの利回りが20%」と言われるととてもすごいことのような気がします。
(年あたりの利回りが20%ということは100万円を1年で120万円に出来るということです。)

 

しかし、これも市場の平均が30%や40%も上昇した年に20%の利回りしか得られていなければそれは全然すごいことでは無く、むしろ平均以下の成績しか残せなかったことになります。

 

自分の投資能力をはかる場合には、常に市場平均に対してどれくらいのパフォーマンスを出すことが出来ているかに注目してください。(国内の株式に投資しているのであれば、日経平均TOPIXの推移と比較することで自分のパフォーマンスを確かめられます)

 

投資が上手くなるためには、つねに数字の持つ意味を考えることが大切です。
身近な数字に秘められた本当の理由に注目しましょう!